本作品はM.Schacht氏のゲームデザイナー歴25周年(及びSpiele aus Timbktu15周年)を記念して制作された、記念碑的な作品です。
このゲームでは1ラウンドを1ヶ月に見立てて、全12ラウンドを通して最もお金(ターラー)を稼いだ人が勝利します。
お金を稼ぐには事前に商品(塩、鉄器、ビール)の在庫を各都市に用意しておき、それを後のラウンドで売却して資金を増やすのです。
では、どうやって商品在庫を仕入れ、売却するのでしょう?そこで交易カードという重要なカードが登場します。
このカードはたった12枚しかありません。1ラウンドに1枚ずつ、ランダムですが「全て」登場します。
商品を仕入れるにはこの交易カードに描かれている商館に自分の商人コマを1つ置いて、数字の分だけお金を支払う事で○の数だけ商品をその都市に在庫することができます。この時長方形のシンボルがあれば自分の台車コマをその都市に隣接している「道」に配置することができます。「道」に台車コマを置く事で都市間の販売網を繋げる事ができるのです。
ラウンドの初めに1枚交易カードをめくって公開します。公開した時点で「商品の売却」フェーズを行います。(先ほど紹介した商品の仕入れは「売却の後」に行います!!)
交易カードに描かれている都市がその価格でその色の商品を欲しているものと考えます。
この時、台車によって販売網が繋がっていて、かつその色の商品を在庫している人は商品をその価格で1つ売却することができます。ただこの時、舗装されている道は良いのですが、悪路に配置した台車は販売経路として一度使うと(壊れて)手元に戻ってきてしまいます。基本的なゲームシステムの骨子はこれだけ。
交易カード12枚だけで消費の需要と供給を表現しているのです。また1ラウンドに行えるアクションは4つのアクション(上級ルールだと5つ)から1つ選択するのを2回だけ。
これで商品在庫の補充と販売網の構築を行います。1ゲームで22手しか打つ事ができません(最終月は売却だけ)。
販売網の構築に仕える台車の数は8個のみ。これが絶妙に「足りない」。足りない台車は他の道に配置しているものを壊して(!)持ってくるしかありません。販売網の維持は難しいのです。
最初にプレイされる際には、交易カード12枚の内容も分からないし、販売網についてもいまいち分からないと思います。
遊んでいる途中で「なるほど!」と気づく事が多いでしょう。
このゲームは2回目からが本番のゲームです。慣れてきたら交易カード12枚の内容をじっくり見てみるとまた色々な「気づき」があってまた遊びたくなってしまいます。
上級ルールは少しの変更ではありますが、プレイ感がガラリと変わるものになっています。でもまずはファミリーゲームをしっかりと遊んでみて下さい。25周年記念にふさわしい傑作に仕上がっています。